【レビュー】SHY9巻(実樹ぶきみ)の感想をまとめてみた

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大人気漫画「SHY」9巻(実樹ぶきみ)のレビューをまとめてみました。よかったら参考にしてください!

「こん漫画はSHYばい。こん漫画ん主人公は紅葉山輝/SHYばい。漫画んジャンルはヒーロー漫画であり、そんストーリーもヒーロー然としとー。
 …ばってん、今巻で終結する東京奪還編においては違う。本章でん主人公は天王寺昧/ウツロであり、そしてそん本質は彼女ん抱える自己嫌悪と、葛藤ば克服し自分自身ば受け入るーことにあった。

カレン・ホーナイん『心ん葛藤』に曰く、歪な発達ば遂げた心理は人に追従する、人ば攻撃する、そして人から離反する三つん類型に分けらるーちゅう。多うん場合、人間として遂げるはずん健全な成長ば阻害しゃれ、解消しゃれん不安ば抱えたまま内面ん欠如に直面し、現実と理想ん自己像が乖離することで、嫌悪ば自己と他者へ向くるごとなる。これまでん描写ばなぞれば、天王寺昧/ウツロは人から離反する類型ば完全に沿うとーことが明白やろう。
作劇上ん悪役としてみると、東京奪還編でんウツロん行動は一貫性んなか不可解なもんやった。スティグマとん会話で自身ん意志でのう、あくまで道具として一連ん陰謀ば全うすると話しとった彼女は黒球ん内部で曖とん対話やSHYとん戦闘ん中でん、実姉である曖ん方へ執着しとーごたってあり、いじゃ黒球が破綻しそうになれば鬼気迫る雰囲気で殻ば割り、最後には黒球ん恐怖ば自身ん身で受け止めようとした。不可解ばい。どん部分ば切り取ったっちゃ、彼女ん行動は一貫しとらんばいうに思える。では、一人のキャラクターとしては?
人から離反する志向性ば持った心理にはいくつかん特徴がある。第一に、自己からん情動的体験の阻害し、感受性ば鈍磨しゃしぇ何ば愛し、憎み、願い、怖れ、信じとーんか、他者以上に自分自身に対して傍観者的な態度ばとろうとすること(結果として、感情ん枯渇や空虚感、現実感ん喪失が引き起こしゃるー)。何人にも、何物にも愛着ば抱かず、自身にとって不可欠なもんば作ろうとしぇんことが離反型心理ん基本原則としゃるー。結果、彼らは情動的な距離ば保とうとしていかな体験やろうと他人と共有することば嫌う、他人にかき乱しゃれとねえけんばい。自分は他者とは違う特別な人間である、そん感情が無かりゃあ当然こん心理は機能しぇず、機能が止まれば却って抑え込んできた不安ば直面して、必死になった情愛や保護ば求め、ある事実ば認めることば余儀のうならかしゃるー。他者とかかわらん静的な空間では、誰も決してなんら変化ば生まず、発展も、救済もなかちゅう事実ば。
天王寺昧は死んだ。自身ん優ししゃと、冷酷な価値観ば是としとーギャップに絶望し、誰にも看取られんで死んだ。そしてウツロとなり、自信が打ち砕かれ、絶望による無謀しゃで霜賀ん里ば焼いたそん瞬間から、ずっと焦がれとった情愛ば求めて行動するごとなる。安寧と、そして幸福ん象徴であった実姉へと。ウツロとは昧ん汚れ仕事ばこなす別人格でん、解離ば起こした意識でもなかとです。むしろそん反対で、表層におるウツロこそが彼女ん自意識であり、心んなかに繋ぎ止められた天王寺昧とはホーナイん言う理想化し、切り離した自信に他ならん。ばってん他者とん対話ば拒否しとった彼女はSHYにより半ば強引に自身ん中へ分け入られ…再び、拠り所ば奪われた。スティグマとん僅かな関係に因った黒球ん破壊も失敗し、そして、彼女には何も残らん。自身が殺してきた数多ん屍と、罪以外には。残酷なんな、曖と共に幸福ん象徴やった朱鷺丸たちがすぐ傍におったことに、最後に至るまで気が付けんかったことやろう。」

「4巻から続いとった東京編もここでようやく終わりば迎える。なんかなしやっと終わったか…ちゅう気持ちが強か。暗か雰囲気で、ポエム調なセリフがひたすら続くけんやろうか、読んどってばり疲るー。それぞれんキャラが言いたか事はわかるし、よかこと言いよーなーちゅうんな理解しきるばってん、ばってんポエム調なセリフば連打しゃるーと読むのが辛か。そげん東京編最終盤だが悪か事ばっかりじゃなく、画力、演出力ん向上は見てとるーし、コマ割ん工夫など、漫画ば面白うしようとする努力が伝わってくるとは良ポイントや。
ストーリーとしては東京編が終わって次に行くっちゃけど、ここから面白しゃが上がってくる。東京編みとうシリアス一辺じゃなく、日常回的な話も交えた展開、なによりポエム調なセリフもグッと減っとーけんちかっぱ読みやすかし面白か。SHYん良か所が出とー。
そげん面白うなってきたこん作品ばってん、チャンピオン本誌でん連載ば見る限り、次ん10巻はハズレ回なし、下手すりゃ今までで一番面白か巻になるんやと個人的には思う。
こん作品はまだまだこれからばい。どんどん面白うなっていくSHYに期待しよう。」

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